右田毛利家の家老職を務めた桂氏の邸宅です。
参勤交代になっども随行し、全国の建築・造園についての見聞を広めた成果が凝縮されています。
屋敷の北側にそびえる山肌は独特で力強く、何らかの形で庭に影響を与えれいるのでしょうか…
牧歌的なアプローチ
門屋、土塀の小口面が洒落ています。
玄関(左)と庭に通じる切戸
通常、長押の上に架けれれている槍ですが、ここでは玄関の真ん中に天井から吊られています。
より実戦的です。
座敷を囲う様なL型の庭の角に、L型のシンボリックな景石を二段重ね
石組というよりモダンアート…?
庭幅が手前は広く、奥は狭い。濡れ縁の奥行きが手前が長く奥行きが短い。奥の塀は手前より奥が低い。3つの遠近法の仕掛けがあります。
玄関外に通じる門屋の瓦、手前は5枚、奥は6枚にして屋根自体も遠近法
控え柱は、平行ではなく見た目に手前に敢えて傾斜をつけています。
通常、庭園の景石は多くを地中に埋めることで、大地にどっしり根ざした力強さを表現するのですが、ここでは三石が他の景石の上に置かれています。
新月の夜は濡れ縁の角ににお供え物を置き、月形の景石の奥から昇る新月に祈りを捧げたそうです。
座敷の床柱は杉の面皮付き、面皮丸太の長押、竿縁天井の数寄屋風
家老職であることから殿さまが来られた時、床の間前に座った際に見える石組み
床脇の天袋は蒔絵が見えやすいように、襖が手前に傾けて取付
彫刻欄間も少し傾けてはめ込み
座敷の奥の部屋は板床、吊床。切腹の間としても使われるため、天井の竿は床差し。
板床は木目は横に敷かず手前に、炉を切っているものの、畳の敷き方も特異
不祝儀を打ち消すための桝掛け(正方形の地板に斜めの小壁で/)左の障子入りの天袋は神棚
ご当主自ら長時間にわたり、庭と建物、桂家の系譜の説明をしていただきました。
この様な見学の機会を設けていただいた、桂様、JAG正岡会長ありがとうございました。
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